宮崎けんさんは、ごく普通のサラリーマンである。
今日もいつもの時間に起床し、いつものように準備をして、いつもの時間に家を出た。
いつもの道を通り、いつもの駅に到着し、いつものように電車に乗る……はずだったのだが、彼は改札を通り抜けることが出来ず、ちょっとしたパニックに陥っている。
どうやら、定期の更新を忘れていて、自動改札機に阻まれてしまったようだ。
後ろで舌打ちするおじさんに頭を下げ、自動改札機から少し離れる。
時計を確認し、定期券の更新をしている余裕はないと考えた彼は、切符を購入して電車に乗ることにした。
券売機の前で料金を素早く確認した彼は、財布を取り出そうとポケットに手を入れた。
しかし、右ポケットに財布の感触はなく、彼の顔は少し青くなっている。
左ポケットや後ろのポケットも探してみたのだが、どうやらポケットの中に財布は入っていなかったようだ。
震える手でカバンを開き、最後の望みをかけて探し始めたのだが、お目当ての財布は見つからない。
それどころか、一緒にスマホも忘れていることが判明した。
彼はこの時、昨日の夜のことを鮮明に思い出していた。
昨日の夜、彼はコンビニへ行ったのだ。
その際に財布とスマホを普段着のズボンのポケットに入れおり、どうやらそのまま入れっぱなしにしてしまったらしい。
今から家に取りに帰ると、確実に遅刻してしまう。
仕方ないと諦め、彼は電車に乗って出社した。
彼はなぜ電車に乗ることができたのでしょうか?
参考データ
ひらめき
(2.0)
観察力
(3.0)
知識
(1.0)
難易度
(2.0)
余計なことに惑わされてはいけない
財布がなくても、あれがあれば切符は買える
正解は、「お金を持っていたから」
財布は忘れてきたが、お金は持っていた。
財布=お金というわけではありません。